高精度タッチスイッチは、機械式の接触型スイッチで、物体を検出するセンサーとして50年以上の歴史があります。特徴として、高精度でのON/OFF切替が可能で、高い繰返精度を持つことから、現在でも様々な用途で使用されています。特に、繰返精度は、ミクロン(μm)単位なので、一般的な非接触型センサーよりも高精度での検出が可能です。形状は、主に円柱型と角型の2タイプがあり、先端部が対象物に接触することで検出します。
高精度タッチスイッチとは
構造と動作
基本的な構造は、検出用ピン、導電体、接点、スプリングで構成されています。通常は、2つの接点の間に導電体がスプリングにより押し付けられているため、2つの接点は電気的に接続された状態(閉路)になります。検出用ピンに対象物が接触すると、検出用ピンが導電体を押し戻し、2つの接点から離れるため、2つの接点は電気的に接続されていない状態(開路)になります。そのため、このタイプの高精度タッチスイッチは2線式のノーマルクローズ(N.C.)となります。
図1:一般的な高精度タッチスイッチの構造
図2:検出時の動作
特徴
- 高精度でのON/OFF切替が可能。
- 高い繰り返し精度。
- 接触型なので、安定したスイッチングが可能。
- 応答時間がほぼ0秒。
強み・弱み
強み
- 繰返精度が高い(ミクロンレベル)ので、毎回ほぼ同じ位置(<1μm)でON/OFFの切り替えが可能。
- 接触(検出)すると、すぐに反応(出力)する。
弱み
- 検出物は、固体に限られる。
- 通常のタイプは、水や油に対する保護がない。
- ガスや高湿度など、使用環境によって寿命が短くなることがある。
補足
設置スペースの狭小化に対応したコンパクトタイプや、粉塵と水滴に対する保護に優れたIP67タイプ、垂直方向の検出に加えて、水平方向からの対象物の検出が可能な検出端子がボール型のタイプ、軽く触れただけでも反応する高感度タイプ、三線式などがあります。
適応アプリケーション
- 自動組立装置等での原点検出や位置決め。
- 加工物の反りや工具の摩耗の検出。