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超音波センサーとは

超音波センサーは、超音波を利用した非接触型のセンサーで、物体の有無や物体までの距離を検出することができます。人間には聞こえない高い周波数の音波を利用しており、色の影響を受けず、光沢物や透明の固体や液体などの検出が可能で、ほこりや油などの汚れにも強いといった特徴があります。また、音波の広がる特性を活かした、広範囲での検出が可能なタイプもあります。ただし、柔らかい布や泡立っている液体などの音を吸収しやすい物体の検出が困難であり、風や温度の影響を受けやすいといった欠点もあります。検出方法は、主に透過型、回帰反射型、物体反射型の3種類に分けることができ、用途に合わせて選択することができます。

構造と動作

一般的には、超音波振動子(圧電素子)を備えた発振部と受信部から構成されており、発振部から発振された音波を直接、もしくは反射させて受信部で受信し、対象物を検出します。透過型、回帰反射型、物体反射型は、それぞれハウジングの形状や設置方法、検出方法が異なります。なお、超音波振動子は、1つの素子で発振と受信の両方を行う事ができるので、ほとんどの回帰反射型、物体反射型は1つの超音波振動子で交互に発振と受信を行います。

透過型超音波センサー

透過型の超音波センサーは、非接触で対象物の有無を検出することができます。別々のハウジングに収められた発振部と受信部の2つで構成されており、この2つを一直線になるように向かい合わせに配置します。未検出時は、発振部から発振された音波を受信部が受信しています。発振部と受信部の間に対象物が進入すると、音波は対象物にぶつかり反射するため、受信部で受信する音波が減少若しくは遮断され、音波の強度が変化します。この強度の変化により、対象物の有無を検出し、デジタル(ON/OFF)で出力します。なお、超音波は光電タイプよりも指向性が低いため、多少軸がずれていても検出すること可能です。

図1:一般的な透過型超音波センサーの動作

回帰反射型超音波センサー

回帰反射型の超音波センサーは、非接触で対象物の有無を検出することができます。発振部と受信部の両方の機能を備えた発振受信部と反射板の2つで構成されており、発振受信部と反射板の反射面を向かい合わせになるように配置します。未検出時は、発振受信部から発振された音波が、反射板で反射し、発振受信部で受信していますが、音波が戻ってくるまでの時間は一定で変化はありません。発振受信部と反射板の間に対象物が進入すると、音波が対象物にぶつかり、反射板よりも近くで反射するので、音波が戻ってくるまでの時間が変化(短くなる)します。この発振した音波が戻ってくるまでの時間の変化により、対象物の有無を検出し、デジタル(ON/OFF)で出力します。

図2:一般的な回帰反射型超音波センサーの動作

物体反射型超音波センサー

物体反射型は、超音波センサーの中で最も多く使用されているタイプで、非接触で対象物までの距離や対象物の有無を検出することができます。発振部と受信部の両方の機能を備えた発振受信部を、検出したい方向へ向けて配置します。未検出時は、発振受信部から発振された音波は、そのまま散乱し、受信部に音波は戻ってきません。対象物が発振受信部の前に進入すると、対象物に音波がぶつかり反射し、反射した音波を発振受信部で受信します。この音波が発振してから戻ってくるまでの時間により、対象物までの距離や有無を検出し、距離はアナログ(電流値、若しくは電圧値)、有無はデジタル(ON/OFF)で出力します。

図3:一般的な物体反射型超音波センサーの動作

超音波センサーの特徴(共通)

  • 検出体の有無や距離を非接触で検出することができる。
  • 検出する対象物の色などの制限がなく、光沢物や透明の固体や液体の検出が可能。
  • 広範囲の対象物の検出が可能。
  • 吸音性が高い物体の検出が困難。

超音波センサーの強み・弱み(共通)

強み

  • 検出距離が長い。
  • 油や水などの汚れ、ほこり、煙などの影響を受けにくい。
  • 検出対象物の制限(色、形状、固体、液体など)がほとんどない。

弱み

  • 風や温度の影響を受けやすい。
  • 柔らかい布やスポンジ、泡立っている液体などの吸音性が高い物体の検出は難しい。
  • 検出と未検出の切り替えサイクルが遅い。

補足

検出範囲を広くした広指向性タイプや小さい物体を検出できる狭指向性タイプ、複数の検出距離を設定して検出できるタイプなどもあります。

適応アプリケーション

  • タンク内の液面検出。
  • ロールの厚み検出。
  • ガラスや瓶、プラスチック等の透明体の検出。